製造業のお客様を対象に、「製造現場の最適化」と「ERPによる経営管理」をどう両立するか
SAP Cloud ERP と 生産スケジューラ Asprova の連携の考え方をご紹介します。
目次
はじめに
多品種少量・短納期対応が当たり前となった現在、生産計画の精度や柔軟性は、現場効率だけでなく
経営スピードそのものを左右するテーマになっています。
SAP Cloud ERPのPPモジュールは、MRPを中心に生産管理全般を標準機能でカバーします。
一方で、設備・人員負荷を加味した詳細スケジューリングや、頻繁な計画変更への即応といった領域では、
現場側で工夫が求められるケースもあります。
この“最後の一マイル”を補完するのが、生産スケジューラ Asprova です。
SAP Cloud ERP(PPモジュール)の強みと課題
| 項目 | 強み | 課題(苦手領域) |
|---|---|---|
| 生産計画 | MRPによる資材所要計画・粗スケジュール作成 | 設備・人員負荷を加味した詳細スケジュール |
| オーダー管理 | 受注・製造・購買の統合管理 | 段取り時間・優先度を考慮した順序最適化 |
| 実績収集 | 実績・在庫のリアルタイム更新 | 現場での頻繁な計画変更への即応 |
SAP Cloud ERPは「経営視点での計画統制・データ一元化」に強みがある一方、現場レベルの詳細調整やシミュレーションは
補完的な仕組みを組み合わせたほうが良いケースがあります。
Asprovaの特徴:現場最適化の実現力
SAP × Asprova 連携の考え方
連携の目的
SAP Cloud ERPで管理される生産オーダーやマスタ情報をAsprovaに連携し、詳細スケジュールを立案。
その結果をSAP側で参照・活用することで、経営と現場の計画整合性を高めることを狙います。
主な連携データ項目
| データ種別 | 方向 | 説明 |
|---|---|---|
| 生産オーダー(PP) | SAP → Asprova | 製造指図情報、製品コード、数量、納期など |
| 製造BOM/ルーティング | SAP → Asprova | 工程順序、標準時間、リソース情報 |
| スケジュール結果 | Asprova → SAP | 実際の開始・完了予定時刻、リソース割当 |
| 実績/ステータス | 双方向 | 実績登録・進捗更新(MESとの連携も可) |
連携の方式
- CSV/JSONによるバッチ連携
- SAP BTP Integration Suiteによる連携
※ 企業規模・運用要件により適切な方式は異なります。
導入効果:経営と現場の“二重最適”
SAP Cloud ERPとAsprovaの連携により、経営が求める「全体最適」と、現場が実行できる「現実的な計画」を同時に実現します。
経営判断に使えるデータと、現場で回る生産計画を一本化することで、納期遵守率向上や在庫適正化につなげます。
| 観点 | 効果 |
|---|---|
| 経営 | 生産リードタイム短縮・在庫圧縮・納期遵守率向上 |
| 現場 | 負荷バランス最適化・段取り削減・進捗見える化 |
| 全体 | “経営と現場をつなぐ”リアルタイム統合基盤の実現 |
本コラムのまとめ
SAP Cloud ERP は経営・業務の統合に優れ、Asprova は現場の最適化に優れます。
両者をつなぐことで、「標準×最適化」のハイブリッド経営基盤が完成します。
本内容に記載されている情報は、公開情報および一般的な理解に基づくものであり、特定の製品やサービスの優劣を示すことを目的としたものではありません。




